お手入れと管理方法
ふき掃除は、晴れた日を選び、お部屋の風通しをよくして、畳に余分な水分を吸収させないように手早く仕上げるのがコツです。
とくに新しい畳は、濡れたぞうきんで拭くと畳が黒ずんだりしますので、必ず乾いたぞうきんでカラ拭きして下さい。
古い畳の場合は、住まいの洗剤を水2㍑にキャップ1杯の割合にうすめ、ぞうきんを固くしぼって拭くと汚れ落ちもよく、あとは乾いたぞうきんでカラ拭き すると早く乾いて、ふきあがりもさっぱりします。
直射日光が当たると、畳はヤケて色が変わりますので、窓に薄いカーテンをひいて光をやわらげてください。
畳は生きものです。室内の湿気をコントロールし、快適な住まいづくりをしてくれます。
それだけに部屋や床下の風通しよくする こと、とくに新築家屋やコ ンクリートづくりのお家は、こまめに風を通していただくことが必要です。
カーペットや絨毯を畳の上に敷くことは、畳の良さを隠してしまうだけでなく、敷物の材料によっては畳がむれて畳床まで駄目にしたり、下にほこりがた まってダニ等の発生を助長するおそれもあります。絨毯類の敷きっぱなしは考え物です。
畳は年に2回位、日干ししていただくと理想的です。
畳の中にはたくさんの空間があり、小さなほこりを吸い取ります。
よく晴れた日に畳を裏返しにして4~5時間干し、乾いたら棒などでほこりをたたき出して下さい。敷き込みには、印を付けて必ず元の位置に。
裏返しは5~7年後に行って下さい(理想的です)。
日にヤケて汚れてしまった畳も、表替えをすれば見違えるようになります。
畳は畳表の裏返し、表替えによって簡単にリフレッシュ出来る便利な敷物です。
使いすぎはかえって損になりますので、お早めに当店にご相談下さい。
畳床は、よく乾燥した稲わらを使用し、40㎝位の厚みのものを機械で5㎝に圧縮して作ります。
こうして畳の弾力性、保温性、吸放湿性、吸音声、難燃性 などが生まれます。
畳の上での睡眠は、ベッドに比較して背筋をのばし、また汗を吸収して、保健上からも畳が見直されています。
全日本畳組合連合会配布のパンフレットより
カビとダニをシャットアウト
日本の家屋は木造で、自然通風もできカビやダニの増殖はなかったはずなのです。
しかし、工法が気密性と保湿性を高めるように変わってきたことや、ライフスタイルの変化によって、カビ・ダニの問題がクローズアップされていま す。
どちらも、発生させないための心がけが大切です。
カビとダニはおともだち!
畳に湿気は禁物ですが、通風状態が悪かったり、湿気の多い場所では、畳にカビが発生することがあります。
少しくらいの湿気では、通風に気をつけてふつうに掃除していれば、カビの発生することなどありませんが、海岸や湿地帯の上に建っている住宅、新築 のコ ンクリート造のマンションなどでは、通風に心がけていても、カビが発生することがあります。
カビが発生する条件があれば、当然ダニも発生します。
どちらも湿気と風通しの悪い場所が大好きです。
暖かいことも、増殖の好条件ですから、梅雨時はもちろん、最近の住宅工法では、冬の暖房と密閉性の高さがあだになって増殖します。
カビの処理の仕方
カビを除去するには、いくつかの方法があります。
まず、畳をあげ裏をじゅうぶん日光に干します。
表も陰干しにして表面のカビを乾燥させ、ブラシでていねいにカビをとり除き、その後表面にキズがつかない程度に何度も掃除機をかけます。
もうひとつは、漂白剤と消毒用アルコールで除去する方法です。
まず、窓を開けて換気を十分にしたうえで、お湯に漂白剤をほんの少したらし、雑巾で拭き取ります。
その後、アルコールをきれいな布に染み込ませ、拭き取っていきます。
アルコールは殺菌力があるので、カビの発生を抑える効果があるのです。
あとは十分に風を通します。
しかし、カビが広範囲におよぶ時には、専門家に任せた方が無難です。
カビを発生させないためには、風通しをよくすること、つまり畳を湿気させないことが第一です。
ダニを防ぐには、これだ!
ダニについていえることは、増やさないのが一番いい方法だということです。
まず、部屋が高温多湿にならないようにします。
そのためには、窓をあけて自然通風を心がけたり、必要に応じて強制排気をすることも。
梅雨時や夏には、除湿機で湿気を取るのもずいぶん効果があります。
台所の調理の湯気や、浴室の湯気をほかの部屋に入れない(ドアを閉めて換気扇をまわす、窓を開けるなど)ことも大切です。
冬に加湿機を使う人が増えていますが、加湿しすぎると湿気が高くなり結露がひどくなることも忘れずに。
畳の上のジュータンは、ダニの発生のもとです。
もうひとつ大切なことは、掃除をマメにすることです。
今よりもう一回、掃除の回数を増やすだけでもずいぶんちがいます。
畳屋さんでも、防虫処理・加工などを行っているので気軽に相談してみましょう。
(全国畳産業復興会発行 畳と住まいより)
畳って日本独特のもの?
畳は「折りたたみ重なること」が語源であり、古事記にまで遡ります。
畳は大和民族が生み出したものですが、わら床に表がついた現在の形式ができあがったのは中世の後半になってからです。
その畳表を張り替える事によって新しい物に生まれ変わるという構造は日本独特の物です。
畳表には銘柄があるのですか?
各主産地ごとに名称があります。
広島産は備後表
岡山産は備中表
熊本産は肥後表
福岡産は筑後表
高知産は土佐表
と昔の地名で呼ばれています。