畳の知識や効能

 

人の五感にやさしい

畳は触覚や視覚に快い材料と言えますが、視覚や臭覚のうえでも親しみやすい材料であることがはっきりしております。

京都大学の増田稔先生は、人間の好ましく感じる色はVR系の色で、畳の色を色 彩・彩度平面で分析すると、畳の黄色がかった色彩が暖かさのイメージを誘い、 彩度が低く木材に近いことから、上品で他の材料と色彩的に良く調和することを指摘されています。
また、匂いについても研究された方がおられ畳の匂いは、「快い」と「自然な」 の中間にあたり、嗅覚的にも畳が優しい材料であることを報告されています。

(日本女子大学理学部元教授 南澤明子先生の資料より)

吸音と遮音性に優れている

わら畳は優れた吸音・遮音性を持っており静かで優しい空間を作り出しています。
条件によって異なりますが、フローリングの部屋に比べて音の大きさは約半分になることもあります。

(日本女子大学理学部元教授 南澤明子先生の資料より)

空気を浄化する

い草の畳は空気を浄化する作用があります。
東京大学工学部の西村肇教授の研究室により、二酸化炭素をい草が吸着することが立証されております。
その効果は、60分で部屋の濃度を10分の1に減らすほど高いものです。
また、「い草+わら畳床」がホルムアルデヒドを吸着して部屋の空気をきれいにしてくれている可能性についても、現在研究が進められております。

(心地よい畳の生活より)

抗菌力を持つ

い草には強い抗菌力があります。
(古来い草は様々な効能のある薬草としても文献で紹介されている)

森田洋博士(北九州市立大学国際環境工学部)の研究でサルモネラ菌・ブドウ球 菌・腸管出血性大腸菌(O-157 O-26 O-111)・バチルス菌・ミ クロコッカス菌等に抗菌性を示し繁殖を抑えることが実証されております。

集中力を高める

森田洋博士(北九州市立大学国際環境工学部)の実験や研究により天然のい草の 畳はそこで学習や生活、また集う人の精神を落ち着かせ、集中力を高める事が実証されております。

最近、会議室に和風空間を採用して畳の部屋での会議で作業効率や成果が向上し たといった事例も新聞で紹介されるなど、畳の持つ多様な機能・効用がもたらす効果が実証されております。

天然素材の畳は、床材として見たとき人や動物にとっても優しい素材であり、体 力的にも弱い幼児や高齢者にとって、また働き盛りの方々にとっても是非ともご 採用いただきたいと考えます。

ダニ・カビについて

ダニ・カビを取り上げて、畳を不衛生と思っている方が案外多いようですが、 大変な誤解です。

ヒョウダニやチリダニは埃を好み生息し、カビは温度や湿度など条件が揃えばどんなものにも生えます。

畳は他の建材・素材に比較して、水分の吸収能力が大きい為、住居内ではカビの発生が遅いことを南澤先生指摘されております。

畳は住居の健康状態の警告灯です。

換気や丁寧なお掃除など、常識的な管理に努めていただければ防止でき、快適にお過ごしいただけます。

                              敷物新聞から転載